こんにちは!
Webパーソナルトレーナーのビルドです。

・モビリティトドリルのやり方を知りたい
・おすすめドリルを知りたい
・関節の可動域を広げたい
・身体を軽くしたい
・運動能力を上げたい
このようなお悩みはありませんか?
可動域がせまいと怪我のリスクが高まり、筋トレの効果は半減、腰痛や肩こりの原因となることもあります。
本記事では、短期間で関節の可動性を改善できる「モビリティトレーニング」の中から、機能解剖学的におすすめできるエクササイズを9つご紹介します。習慣的におこなうと身体を思い通りに動かせるようになるので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いている私は、トレーナー歴15年ほど。
・NSCA-CPT
・NASM-PES,CES
・健康運動指導士
などのトレーナー資格を保有しています。
目次
モビリティトレーニングとは?

フィットネスの世界では、身体の可動性のことをモビリティと呼んでいます。
可動性というのは、何も制限なく自由に思いどおり身体を動かす能力のこと。
例えば、両手をバンザイしたときに、可動性が高い人は耳が隠れるまでスムーズに腕が上がります。ところが、可動性が低下していると腕を上げることができず、身体を反らしたり、肘を曲げたりして、思い通りに腕を上げられません。
筋肉や関節が固くて動きが制限されてしまう状態をモビリティが低下していると表現します。
可動性と柔軟性は少し違う

細かく言うと、柔軟性と可動性は少し違います。
柔軟性は単に筋肉や筋膜がやわらかくて伸びやすいことを意味しますが、可動性は筋肉のやわらかさに加えて関節をコントロールする筋機能も関係するからです。
柔軟性=筋肉や筋膜のやわらかさ
可動性=柔軟性、筋力、神経筋コントロール能力、すべてが関係する
例えば、長座体前屈で自分ではつま先まで手が届かないけど、後ろから誰かに押してもらうとつま先に届く場合。
柔軟性は問題ないけど、可動性は低下していると言えます。

細かい話なので、よくわからなくても問題ありません!
モビリティトレーニングの種類
モビリティを高めるトレーニングには次のような種類があります。
- フォームローリング
- ストレッチ
- モビリティドリル
フォームローリングは筒状のフォームローラーを使って筋膜をほぐす筋膜リリースが目的です。
ストレッチは筋肉を伸張させて柔軟性を回復させる方法。
モビリティドリルは関節を動かしながら滑液を満たし、動作を滑らかにする運動です。
全部やると理想的ですが、時間がない人はどれかひとつでも十分に効果が得られます。

私はウォーミングアップにモビリティドリルをやって、クールダウンにフォームローリングとストレッチをやっています。
腰のモビリティを高めるのは要注意!
腰のモビリティを高めることは避けましょう。
多くの人が理解できていないようですが、実は、腰は過剰に動かないようにすることが重要なんです。
腰の不調のほとんどは、腰椎を過剰に動かしてしまって椎骨がズレたことで生じます。
腰を守る体幹部分は、モビリティよりスタビリティ(安定性)が求められる部位なので、腹横筋や腹斜筋、多裂筋といったインナーマッスルをしっかり鍛える方が大事です。
モビリティが求められる関節

モビリティが重要だとされている関節は次のとおりです。
- 肩関節
- 胸椎
- 手関節
- 股関節
- 足関節
この理論は、ジョイント・バイ・ジョイントアプローチ(Joint by Joint approach)と呼ばれ、Michael Boyleと理学療法士のGray Cookによって生み出され、世界中のトップトレーナーたちに広まりました。
大きな動きに適した関節をモビリティ関節、動きの支点として安定性が求められる関節をスタビリティ関節としています。
肩関節

肩関節は、肩甲骨と上腕骨で構成される関節で「肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)」と呼ばれます。
上腕骨(腕の部分)の先端がボールのように丸くなっているため、あらゆる方向に動きやすく、可動性の高い関節です。
胸椎

胸椎(きょうつい)は、背骨のことです。
腰の部分を腰椎(ようつい)、背中の部分を胸椎(きょうつい)、首の部分を頸椎(けいつい)と呼んでいます。
で、背骨のなかで可動性が求められる部位が、胸椎。
胸椎が動かないと、首や肩の動きを制限してしまったり、腰が過剰に動いてしまったりして、肩こりや腰痛の原因となることが多々あります。
手関節

手関節は、手首のことです。
手首は日常生活で自然とよく使われる関節なので、あまり可動性が低下することはありません。
逆に手首の動きに制限があると、上肢を使う全ての運動に支障がでるため、常に可動性は高めておきたい関節です。
股関節

股関節は、可動性と安定性の両方が求められる関節です。
歩く、走る、しゃがむ、立つ、投げる、打つ、跳ぶ、止まる、人間がおこなう全ての動作は、股関節からパワーが生み出されます。
股関節も大腿骨(脚の部分)の先端がボールのように丸くなっているため、可動性が豊かな部位です。
もし股関節の可動性が低下していた場合、運動パフォーマンスが低下するだけでなく、腰や膝に余計は負担をかけてしまうこともあります。
私の経験上、現代人の8割以上は股関節の可動性が低下しているはずです。
足関節

足関節は、足首のことですね。
足首の可動性が低下していることに多くの人は気づいていませんが、実はメチャクチャ重要な部位です。
足関節は地面に最も近い関節なので、可動性が低下していると、全身に影響します。
足首が動かないから膝が痛い。
足首が動かないから腰が痛い。
足首が動かないから肩がこる。
どれも普通に起きる現象です。
モビリティを高めるメリット

モビリティってあんまり大切に思えないという方へ、モビリティを高めるメリットの例をスポーツ別に紹介します。
野球
肩が命の野球選手にとって、胸椎と肩関節のモビリティはとても重要です。
肩関節だけに可動性があってもダメ。
胸椎がしっかりと伸展したり回旋したり動くことで、肩甲骨のポジションが安定し、肩関節を安全でしなやかに動かすことができます。
試しに、背中を丸めた猫背の状態でボールを強く投げてみてください。
うまく投げられないし、肩を痛めそうですよね。
ボールを投げる動作では胸椎と肩関節のモビリティは絶対に必要な要素なのです。
サッカー
脚が命のサッカー選手の場合、股関節と足関節のモビリティが重要です。
これは見て簡単にわかることですが、力強く正確なキックは、股関節の力強い大きな動作から生まれます。
もし大股禁止のPK対決があったとしたら、ヨボヨボのボールしか蹴れず、たぶん1点も入らずに終わるはずです。
また、足首のモビリティが低下して動きが固くなっていると、捻挫をしやすくなります。
怪我をせずに高いパフォーマンスを発揮するためには、股関節と足関節のモビリティは必ずトレーニングをするべきです。
陸上競技
種目によって変わりますが、単に走るだけの場合でもモビリティは大きな影響を与えます。
足の速さはストライド×ピッチで決まる。
ストライドは一歩の歩幅のことで、ピッチは時間あたりの歩数。
つまり、ピッチが同じなら、ストライドが大きい人の方が足が速いのです。
股関節のモビリティが低く、大きなストライドで走れない人は、モビリティの高い選手に勝つことはできません。
日常生活
スポーツやってないからそんなに影響ないんじゃない?と思わる人もいますよね。
でも、日常生活でもモビリティはあらゆる場面で必要なんです。例えば、
- 洗濯物を干す
- 階段を上る
- 物を拾う
- 後ろを振り返る
- 背中をかく
- 遠くの物を取る
モビリティが高ければ、すべての動作を安全に楽に行うことができます。
反対に動作に制限があれば、その分の負担が腰や肩が負うことになり、腰痛や肩こりを引き起こします。
誰でも身体が軽くなるモビリティドリル9選

それでは私が厳選したモビリティドリル9選をご紹介します。
世界のトップトレーナーが指導しているエクササイズや機能解剖学、研究データを総合的に検討し、全ての人におすすめできるドリルを厳選しました。
メニューは次のとおり
- リストサークル
- チンタック
- アクティブストレートレッグレイズ
- アームスイープ
- 90/90ヒップモビリティ
- ヒップフレクサーストレッチ
- ウォールスライドリフトオフ
- ノーマネー
- ウォールアンクルモビリティ
それぞれ解説します。
リストサークル
まずは手首を回すだけ。

・お祈りをするように両手を合わせる
・指は軽く曲げておく

・リラックスしながら手首を回す
・できるだけ大きな可動域で
・左右10回ずつ
チンタック
首はモビリティ関節とされていませんが、頭部と頸部の移行部分は固くなりがち。特に猫背でストレートネックの人は必須です。

・仰向けに寝る
・膝は曲げておく
・両肩は床につけるように胸を開く
・骨盤は床と並行

・口を閉じたまま二重アゴをつくるようにうなずく
・1秒キープしたらリラックスして元に戻る
・後頭部を浮かさない
・首の後ろを長く伸ばすイメージ
アクティブストレートレッグレイズ
股関節のモビリティを高めるエクササイズです。まずは股関節の屈曲から。

・両足を伸ばして仰向けに寝る
・腰の下に手の指が入るくらいのスペースをキープ
・軽くアゴを引いておく

・膝を伸ばしたまま、片脚を上げる
・太ももの裏側に伸びる感覚があれば1秒キープ
・ゆっくり脚を下ろす
アームスイープ
胸椎、肩関節のモビリティドリル。オーバーヘッドスポーツをやっている方は必須エクササイズ。腕が楽に上がるようになります。
・横向きになって寝る
・頭の下には枕
・上側の膝と股関節を90度に曲げる
・下側の手で脚が浮かないように押さえる



・上側の手を床に沿って頭上に回す
・頭上を越えたくらいで手の平を天井に向ける
・手はできる限り遠くに伸ばす
・目線は手を追いかける
・横に腕を伸ばしたら、手の平を床に向ける
・肘を曲げて手を腰の下にいれる
・1秒キープして、元に戻る
90/90ヒップモビリティ
股関節のモビリティドリル。股関節は前後だけでなく、クルクル回旋させることも重要。

・膝を立てて座る
・足幅は肩幅より広め
・座骨に均等に体重を乗せる

・骨盤を右に回し、両膝は右に倒す
・膝の角度は90度
・なるべく臀部を浮かさない
・元に戻り左側をおこなう
・ゆっくり左右に繰り返す
ヒップフレクサーストレッチ
ヒップは股関節、フレクサーは屈曲させる筋肉のこと。股関節を屈曲させる筋肉をストレッチして、伸展のモビリティを高めます。

・イスや壁の後ろに肩膝立ち
・後ろ側の足首をもつ
・反対の手でイスや壁に手をつく
・前側の膝を前方のイスや壁に近づける
・同時に後ろ側の膝を曲げる
・後ろ側の大腿部にストレッチを感じたら元に戻る

ウォールスライドリフトオフ
肩甲骨の上方回旋を促し、肩関節の可動性を高めます。メジャーリーガーのトレーナーが好んで使うエクササイズです。

・壁から少し離れて立つ
・右足を前に出す
・小指側の手と前腕を壁につける
・手の平は向かい合わせ


・前腕を壁に沿って、腕を頭上に上げていく
・腕はやや広め
・腕を上げたら、肩甲骨を後ろに引き、腕全体を
・壁から離す
・同じ軌道を通って元に戻す
ノーマネー
肩甲帯、胸椎の可動性を高めるエクササイズ。猫背で巻き肩の人に最適。

・肘を90度に曲げる
・手の平は天井向き
・アゴを引く
・お腹に力を入れる

・胸を開いて肩甲骨を寄せる
・同時に肩関節を外旋させる
ウォールアンクルモビリティ
足首の可動性を高めるドリルです。膝に痛みが出ないように注意しながらおこないましょう。
・壁に手をつく
・ストレッチ側の足を前に出す


・前側の膝を壁につける
・かかとは浮かさない
・膝を壁につけることができたら、前足を少し壁から離す
・再び膝を前方に出し、壁に膝をつける
・ギリギリ膝が壁に付かない位置で10回繰り返す
よくある疑問

ドリルについてよく聞かれる質問は次のとおりです。
- いつやればいい?
- 筋トレの前は必ずやってください。他にも毎日のルーティーンとしておこなうと日常的に調子がよくなるのでおすすめです。
- ストレッチと違うの?
- ストレッチは筋肉を伸ばすことを意味しますが、モビリティドリルは関節を動かして「滑液」を充満させ、身体の動きを滑らかにすることを目的としています。
- 痛みがあるときもやっていい?
- 痛みを感じる動きはやめましょう。
ただし関節は動かさないとさらに動きが悪くなるので、痛みを感じない範囲でモビリティドリルを実施することがおすすめです。
- 効果を出すポイントは?
- 水分をよく摂ることと、呼吸をすることです。
筋肉や関節が柔軟に滑らかに動くためには水分が必須です。また、息を止めると身体は緊張してしまうので、必ず意識して呼吸をしましょう。
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この資料が少しでもみなさまのお役に立てることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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