どのくらい運動すればやせる?科学が示した有酸素運動の最適時間

やせたい
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運動ってどのくらいやればいいの?

こんにちは。
WEBパーソナルトレーナーのビルドです。

よし、ダイエットのために運動しよう!と決意したとき、運動ってどのくらいやればいいんだろう?と疑問に思ったことはないでしょうか。ネットとかテレビで「有酸素運動は20分以上やらないと脂肪は燃焼しない」「走った方がいい」などの情報を目にするけど本当はどうなのか知りたいですよね。

この記事では、有酸素運動をどのくらいやるのがベストなのか、最新スポーツ科学の回答をご紹介します。

これを読めば、最適な運動時間を知ることができ、ダイエットに成功して、健康的な人生を楽しむことができるでしょう。

それでは、結論を先に言ってしまいます。

  • 最低でも週150分以上の身体活動が、健康・体力の改善に効果的
  • 体重減少や減量の維持には、週250分~300分の身体活動が必要

これはACSM(アメリカスポーツ医学学会)のガイドラインで示している数値で、あらゆるエビデンス(科学的根拠)に基づいた指標です。厳密にいうと有酸素運動と身体活動は異なりますが、ここでは激しい筋トレは除いて、日常生活のほとんどである有酸素運動を身体活動として解説します。

有酸素運動とは何か

有酸素運動について簡単に確認しておきましょう。

まず、トレーニングにはいくつも種類があります。

トレーニングの種類

  • 心肺持久力トレーニング
  • 筋力トレーニング
  • 柔軟性トレーニング
  • バランストレーニング
  • ファンクショナルトレーニング
  • コアトレーニング
  • プライオメトリックトレーニング
  • スピードトレーニング
  • アジリティトレーニング
  • クイックネストレーニング

有酸素運動というのは、運動するときのエネルギーを作り出すために酸素が必要な運動のことです。

それに対して、酸素を使わずにエネルギーを作り出す運動のことを無酸素運動と呼びます。

有酸素運動で脂肪が減る仕組み

なぜ有酸素運動をすると脂肪が減るのか。

この質問は少し違和感があります。

なぜなら、空気から酸素を肺、血中へ取り込んで筋肉へ送り、糖や脂肪を酸化(燃焼)させてエネルギーを作り出す運動のことを有酸素運動と呼ぶからです。主に低強度から中強度の比較的軽めの運動のときに、脂肪を燃焼させるシステムが働きます。

脂肪を酸化(燃焼)させてエネルギーを作り出す低強度~中強度の運動が有酸素運動

だからダイエットしたい、お腹の脂肪を取りたい、という方は積極的に有酸素運動をやるべきであって、重い負荷をつけた筋トレをがんばっても脂肪は減らないのです。

運動時間に関する研究

運動時間と身体の変化を調査した研究を紹介します。やせたい、健康になりたい、と考える私たちは、実際どのくらいの運動が必要なのでしょうか。

内臓脂肪減少には、有酸素運動が少なくとも10 METs×h/w必要

2007年におこなわれた研究では、有酸素運動による内臓脂肪の減少が用量反応関係を有するかどうかを調べました。

用量反応関係というのは、運動量を増やせば身体の反応が変わるのか、という意味です。過去に研究された文献を集めて、さらに研究するという質の高い論文なので信頼性があります。

この研究者たちはまとめとしてこのようなことを言っています。

・・・これらの結果から、内臓脂肪減少には早歩き、軽いジョギング、固定式エルゴメーター使用などの有酸素運動が少なくとも10 METs×h/w必要であり、代謝異常のない肥満被験者では有酸素運動と内臓脂肪減少の間に用量反応関係があることが示唆された。

10 METs×h/wというのは、早歩きなら1週間で約180分以上の運動が必要ということです。

血中の脂質を改善するには最低120分以上の運動が必要

血中のコレステロール値を改善するにはどのくらい運動すればよいかの研究です。

論文中には次のような意味の説明があります。

・・・HDL-C値を増加させるための最小限の週当たりの運動量は、週当たり900kcalのエネルギー消費量または週当たり120分の運動量と推定された。

血液中の脂質を改善するには週120分以上の運動が必要ということです。

血糖改善には週150分未満より週150分以上の運動があきらかに有効

血糖値の面からの研究も多数存在します。

なかでも研究の質が高く有名な論文によると、週150分を超える運動が血糖の改善に有効だということが示されました。

・・・週150分以上の計画的な運動トレーニングは、週150分以下のトレーニングに比べ、より大きなHbA1cの低下と関連する。

週150分未満の運動でも身体の変化がないわけではないのですが、効果の程度が明らかに少ないそうです。

WHO(世界保健機関)のガイドライン

WHOが身体活動ガイドラインを発行しています。

そのなかでは、健康効果を得るためには1週間を通して中等度の有酸素運動を少なくとも150~300分行うべきだと示しています。

やせるからではありませんが、健康には必要な運動量であり、誰もが望むことではないでしょうか。

WHO身体活動ガイドラインより

まとめ

科学が示した有酸素運動の最適時間を一言でまとめます。

  • やせたいなら、1日30分~60分の有酸素運動を週5日やろう

実際は、どのくらい運動すればやせるのかは食事と運動のバランスで決まります。特に糖質を多く取ればやせることはできません。

参考▸意外と知らない?糖質を減らした人の9割がダイエットに成功する理由

しかし、なんとか運動でやせたいと考えるなら、30分~60分の運動をほぼ毎日する必要があります。

そんなにできないよ、と思われるでしょうか?大丈夫です。工夫すれば絶対にできます。

例えば、私は仕事から帰るときに2つ前の駅で降りて歩いています。また、私の知り合いは、ジムに行くのに30分かかっていましたが、自宅でのオンラインフィットネスに切り替えて、無駄な時間をなくしたそうです。

時間は24時間みんな同じだけあります。

ぜひ工夫してみてください。

応援しています。

最後まで読んでくださりありがとうございました。